紅三四郎の行くところ、嵐を呼び、紅十字星が乱れ飛ぶ。
紅三四郎よ、何処へ行く。
#1『紅の風雲児』あらすじ
荒野の中を疾走する真っ赤なバイク。
紅三四郎は、父を探しバイクを走らせていた。
その頃、三四郎の父・紅正五郎は、荒野の中で謎の格闘家と素手による果たし合いをしていた。
三四郎が父の元へ駆け付けた時、…父と闘っていた相手は既に辺りに居らず、父は勝負に敗れ、地面に倒れ伏していた。
父の仇、と相手を追おうとする三四郎を、『追うな!お前にかなう相手では無い!』と止める正五郎。
『紅流が敗れた…』とつぶやいたまま、正五郎は三四郎の目の前で亡くなってしまった。
格闘の師と仰いできた父親を失い、しかも父が編み出した新種の格闘技・紅流は敗れ、これから先何を信じて生きていけば良いのか!と悩み叫ぶ三四郎…。
ふと地面を見やると、父の遺体の傍に義眼が落ちている。
父・正五郎の手刀が格闘の相手の目を突き、(相手は義眼で有った為)義眼を落としてしまったらしい。
三四郎の(紅流の、父親の)仇は"片目の男"なのだ! 三四郎は仇の義眼を握り締め、父を倒した男の技を見極めたい、と思う。
…失意の三四郎は、父の墓前に花を添えると、港の見える丘で寝転がっていた。
三四郎『紅流がなんだ!あんな、正体の分からない奴に敗れてしまって!(父は正体の分からぬ人物に負けて)死んでしまったじゃないか!』
…と、赤い柔道着を地面に叩き付けようとしたが…母親の形見でもある柔道着を粗末に扱うこともできず、草むらに寝転がって不て寝を決め込もうとした矢先、寝転がる三四郎の傍を通りかかった柔道着を肩に担いだ三人組が、紅流と父と母の形見の赤い柔道着を侮辱し出した。
怒った三四郎は三人組をあっという間に倒してしまう。(だが、三人組を倒した所で三四郎の心は癒されない。)
投げ飛ばされた一人が花畑の中に飛び込み、花畑で花を摘んでいた少女・まゆみをびっくりさせてしまう。
花畑の傍でまゆみの手伝いをしていた(?)少年・ケン坊(+犬のボケ)は、三四郎の強さに感嘆する。
少女まゆみは、この花畑の花を売って生活しているという。
『花を荒らさないで』と頼むまゆみに詫びの一言も無い三四郎。
そんな三四郎に対し、見ず知らずの初老の男に『未熟者!』とたしなめられてしまう。
初老の男との話が『三四郎に根性が有るか否か?』になり、初老の男の屋敷内の噴水に一晩浸かることで三四郎に根性が有るかどうかを試されることになった。
(だが、初老の男の真の狙いは三四郎の持つ『義眼』で有り、男は三四郎の脱ぎ捨てた衣類を検めたのだが、三四郎は義眼を噴水内に持ち込んでいた為見つけることが出来なかった。)
夜中に、まゆみがこっそり噴水内の三四郎へ差し入れを持ってきても、三四郎はまゆみに心を開くことは無かった…。
次の日、初老の男は三四郎の根性を認め、港に停泊している海洋丸の船長が『片目の男』で有ると三四郎に教えてくれる。
三四郎は父を倒した『片目の男』に会う為に港へ向かう途中、船員相手に靴磨きをしていたケン坊(+ボケ)と出会う。ケン坊から『海洋丸は別名"幽霊船"とあだ名されている』という噂を聞き、沖に停泊している海洋丸を教えてもらう。
夜。三四郎は海を泳いで渡り、海洋丸に忍び込んだ。 船長室へ向かう途中、人相の悪い船員達が次々と三四郎に襲い掛かってくる。迎え撃つ三四郎。
その頃、ケン坊とボケは、三四郎を追って海洋丸へ乗り込んでいた。
狭く暗い船倉の中で船員達と格闘する三四郎。
敵の一人の振り回していた鎖鎌が船倉内の麻袋を掠め、中から砂金が零れ落ちた。
海洋丸は砂金の密輸船だったのだ。
拳銃の弾を避け、襲い掛かる敵を全て薙ぎ倒し、船長室へ向かう三四郎。
船長室では、片目に黒い眼帯を付けた海洋丸の船長が居た。
船長と三四郎との勝負が始まる!
格闘中、船長の(彫刻をも真っ二つにしてしまう)手刀が三四郎の目を掠め、三四郎は目が(一時的にだが)見えなくなってしまった。
絶体絶命のピンチ!
その時、駆けつけたケン坊&ボケが三四郎の赤い柔道着を届けてくれ、赤い柔道着をまとって精神を落ち着かせた三四郎は、紅流で船長を倒した。
爆発する海洋丸から海へ飛び込んで逃れる三四郎、ケン坊、ボケ。
波間に浮かぶ船長の姿が見えた。
三四郎は船長の下へ泳いで行き、顔を良く見てみると仮面であった。
船長の仮面を取ると、三四郎の根性を試した初老の男の顔であった。 …海洋丸の船長は父を倒した『片目』では無かったのだ。
港の見える丘、父の墓前で、片目の男を探す旅をすることを誓う三四郎。
少女まゆみの前を歩み去る時、道端の花を踏みそうになった足をそっと避け、赤いバイクにまたがり去って行く三四郎。
…その後をケン坊とボケが追いかけて行く…。
紅三四郎の行くところ、嵐を呼び、紅十字星が乱れ飛ぶ。紅三四郎よ、何処へ行く。
#1『紅の風雲児』まにあっくCheck!
物語の最初、何故三四郎は父・正五郎を探していたのか?
何故、初老の男(実は金の密輸船"海洋丸"の船長)は三四郎の持つ『義眼』を欲しがっていたのか?
…謎なんだけれどもお話に勢いが有るので見ている間は全く気にならない。これで良いのだ!